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評者◆秋竜山
神の姿を見たいと思ったら、の巻
No.3422 ・ 2019年11月09日




■多湖輝『心理トリック――人を思いのままにあやつる心理法則』(ゴマブックス、本体一二〇〇円)で、〈アイデアを生み出させるトリック〉というコーナーの中で面白いことが書かれてあった。〈正しく説明された論理よりも、生活に密着したイメージのほうが、説得力を持つ。〉と、いうことである。大きな地図を壁に掲げて、この地図を見ながら、プランを検討しようというわけだ。
 〈ところが、いっこうに会議が盛り上がらず、良いプランが出てこない。出席者のだれもが、この大地図を見ながら、首をかしげるばかりなのだ。私はプランを考えるよりも、会議が盛り上がらない原因を考えてみた。そして、進行がうまく行かない原因が、この地図にあることに気がついた。そして、係の人に、地図を逆にしてくれるように頼んだ。〉(本書より)
 これが本書のタイトルの通りの〈心理トリック〉なのである。地図を逆にしてみることによって、
 〈人びとの想像力を豊富にし、新鮮なアイデアを生み出す原動力になるのだ。〉(本書より)
 地図を逆にして壁などに掲げる。逆にして地図を見るのである。考えてみると、地図は北側が上で南が下。東が右で西が左と決まっている。そのようにならされているから、それが常識であり、それが正しい地図のありかたであると思っている。よく時代劇のドラマなどで、一枚の地図を床に置いて四方から武将などがのぞき込んで作戦をねったりする場面があったりする。面白いのは地図を四方から見るように描かれてあるということだ。一枚の地図を四人が南側である地図の下へ寄りかたまってのぞき込んでいるというようなことをしないのである。地図というものは天空からのながめを下界をのぞくように描かれてある。神が天空から下界をのぞいているようなものである。そうなると東西南北なんて必要なくなってくる。ドローンで撮影された画像を見ると、まさに神が下界をのぞくようなものだろう。神がドローンのように空中を飛びまわっているようなものだ。神の低空飛行はドローンそのものといっていいだろう。
 神の眼とは、絵画などでよく使われる。風景画の場合、一番美しく風景をながめるのはビルなどの二階とか三階ぐらいの二〇度か三〇度ぐらいの高さから見下ろすのがよいとされている。たいがいの風景画はそのような高さからながめて描かれているのである。そーいえば鳥の眼であり、それが神の眼である。風景画の場合、見上げて描くようなことはなく、見下ろした風景ということになるのは、そのようなためである。神はいつも空から下界を見下ろしている。もし、神を目撃するとしたら空の上にいる姿ということになるだろう。頭のてっぺんの上空に神がいたとしたら、二つの足の裏面だけということにもなりかねないのである。神の姿を見たいと思ったら、マンガに描かれた神を見ることだろう。神は自分の姿を似せて人間を創造したというから、人間が空を飛行している姿こそが、神の姿ということになるだろう。マンガは人間の姿をした神を描く。ドローンのデザインを、神の姿のようにして飛行させたらどーなんだろうか。神が空を飛びまわっているのだと思うと楽しくもなるだろう。地図を逆にして壁に掲げる発想は面白ついでに、日本地図を逆にして見ることにしたらどーだろうか。そんな馬鹿げたことをする人はいないと思うけど。







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