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評者◆添田馨
暗黒の時代から漆黒の世へ⑮――構造としての〝アベシンゾー〟⑦
No.3383 ・ 2019年01月19日




■二〇一八年十二月十四日、政府は沖縄・辺野古への土砂投入を開始した。そのおよそ三カ月前には、埋め立て反対を唱える玉城デニーが知事選で勝利したばかりだった。政府のとったこの問答無用の強硬策は国家暴力の行使であり、沖縄の“民意”への完全なる敵対行為である。
 しかし、安倍政権はなぜこうも次々と民意をあからさまに踏みにじるような強権的行為に打って出るのか。ひとつだけ明らかなことは、現在、この政権が私たちに徹底した殲滅戦をしかけてきているという動かしがたい事実である。
 安倍晋三のもとで、政治家という職業は完全に“卑業”化した。国会議員ともなれば、幾分かの尊敬をもって見られていた時代もかつてあった。しかし今は、閣僚も含めた与党政治家たちは、最も恥ずべき反人倫的存在に堕してしまっているように見える。理由はただひとつ、“バカトノ”安倍晋三の意向をみずから進んで汲み取っては、善悪の判断を放棄したうえでその妄想的なヴィジョンを実現する目的だけのために、みずから行動する愚を疑いもなく演じてしまっているからだ。
 安倍晋三による“国家の私物化”はなぜ起こったのか? 小選挙区制の実施と内閣人事局による官僚人事の支配強化が背景にはある。その結果、与党政治家にしろキャリア官僚にしろ、物質的な報酬と社会的地位への当然の権利保障が、一転彼らにとっての死活的な弱みとなって、官邸側にすべて牛耳られることになった。
 安倍晋三の政治手法は、自身の権力基盤を強化しつづけることを最終目的とする撞着的な性格をもつ。そこには理念も倫理のひとかけらも見られない。当然ながら、未来世代や弱者のことを思う気持ちは微塵もない。それはとてつもなく病んだ精神であり、そうした存在が、政治家や官僚のみならず、すべての国民の生殺与奪権を掌中にしようとしている。安倍晋三の憲法改正にむかう妄言の本質がその点にあることを、私たちは絶対に忘れてはならない。
(つづく)







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