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評者◆秋竜山
おめでたいお正月、の巻
No.3382 ・ 2019年01月12日




■世の中には、「おめでたい人」と、いわれる人がいる。もちろん、陰口である。それを耳にして、本人はどう思うかなんて。いわずとしれたことだ。「なにが、おめでたいんだ。ふざけやがって!!」と、怒らなければそれこそ「おめでたい人」だろう。「ありがとう」と、いえたら、馬鹿か大物かのどっちかであろう。
 和田秀樹『「おめでたい人」の思考は現実化する』(小学館新書、本体七六〇円)では、〈おめでたい人〉について。
 〈関西弁で「おまえ、おめでたいやっちゃな」と言うときの「おめでたい」が、今は「天然」という言葉で代用されているように思う。ただ「天然」には、何も考えてなさそうなキャラクターに付与されるところがあって、あまりアクティブなイメージではない。(略)いわゆる“天然”と呼ばれる人たちが注目されるのも、「おめでたさ」の足りない人たちが“天然”さをうらやむことの裏返しなのではないだろうか。〉(本書より)
 馬鹿にされるにしても、「おめでたい奴」とは、馬鹿以上のひびきがある。「あいつは、馬鹿な奴だ」と、いわれたほうが、まだすくいがあるようにも思えてくる。
 本書に、「おめでたさ」にないタイプと悪いタイプの2種類があるという。
 〈〈いいタイプのおめでたい人〉
・周囲の批判を気にしない
・まずは行動してみる
・うまく行かなければ、次に行く身軽さ
・正解などない、と思う知的謙虚さ
 ということになるだろう。すなわち、「自己肯定感が高くて楽天的」という特徴がある。
〈悪いタイプのおめでたい人〉
・自分が正しいと信じて疑わない
・世間で言われていると、ほかの人の声に耳を貸さない
・だまされていることに気づかない〉(本書より)
 本書では、「おめでたい人」になることをすすめている。おめでたい人が三人寄ったらどーなるか。そこには当然、おめでたいことがうまれるだろう。
 〈つまり、つまらないことで喜べる人や、何かしらのお世辞を本気にする人、あるいは、楽観的な情報を簡単に信じてしまう人などが、一般的に言われる「おめでたい人」ということになる。ある種、素直、人を信じやすいタイプの人なのだから、「おめでたい人」という言葉には、そこを軽くバカにしたようなニュアンスが漂う。〉(本書より)
 おめでたい、ということは正月みたいな、という意味もあるだろう。なんといっても正月はおめでたいし、日本中がおめでたいのである。お正月には、「おめでとうございます」と、あいさつをしあう。三が日の正月が終わっても、いつまでも正月気分がぬけきれないということは、「おめでたさ」のままであるからだ。よくよく考えてみれば、おめでたさのままでぬけきれないでいる生活もありか!! ともいえてくる。「あなた!! いつまで正月気分でいるのよ」と、女房にいわれて、ハッ!! とする。「おめでたい人」についてよく思考してみることだろう。「これで、いいのか、わるいのか」「やっぱり、これでいいのだ」と、結論が出たら、真の「おめでたい人」であろう。







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