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評者◆秋竜山
歩くことはいいことだ、の巻
No.2944 ・ 2009年12月05日




 啓蒙書に素直になれるか、なれないか。「キミは単純だね」と、いわれる人のほうが啓蒙書に感動しやすいかもしれない。その時だけの感動かもしれないが……。ジェームズ・スベンソン著、弓場隆訳『扉の法則――希望と幸せに満ちた人生の扉をひらく50の鍵』(ディスカヴァー、本体一三〇〇円)では、まず、〈あきらめない〉ことが重要なことであることから始まる。〈重要なことは、あきらめないことである。〉と、いうことだ。本書も実に整理されて構成されているから、〈あきらめない〉で、読み進めていくことができるというものだ。セットク力のあるのは、やはり、有名な誰でも知っている人物によるヒトコトである。
 〈夢を捨ててはいけない。夢がなくてもこの世にとどまることはできる。しかし、そんな君は生きることをやめてしまっている。マーク・トウェイン(アメリカの作家)〉〈史上初めてヘビー級で二度の王座返り咲きを果たした伝説のボクサー、モハメド・アリは、こう言っている。「人生はボクシングと似ている。問題は倒れることではなく、倒れたときに立ち上がろうとしないことだ」〉(本書より)
 「キミは単純だね」と、いわれる人のほうが啓蒙書に感動しやすいかもしれない、と、いったけど、本書で、単純について述べられていた。〈単純なほうを選ぶ〉で、〈イギリスの哲学者ウィリアム・オッカムは「無用な複雑化を避け、最も単純な理論を採用するべきだ」という原則を打ち立てた。「オッカムのかみそり」と呼ばれる原則である。〉発明家トーマス・エジソンから学ぶべきことは〈一般に、問題に対してふたつの解決策があるときは、単純なものを選ぶほうが得策である。なぜなら、真理は単純なものの中に隠されていることが多いからだ。〉〈レオナルド・ダ・ヴィンチは「単純さは洗練の極みである」と言っている。〉〈科学の基本的原理のほとんどは本質的に単純である。したがって、誰にでも理解できる言葉で表現できなければならない。(アインシュタイン)〉格言のようなものを一つだけ残せば、歴史の中から忘れさられるようなことはないだろう。科学者、政治家のベンジャミン・フランクリンは、〈「人生を大切にしたいなら、時間をムダにするな。人生は時間から成り立っていることを肝に銘じろ」〉(本書より)
 そして、人間やっぱり〈歩く〉ことにあるようだ。歩いてさえいれば間違いない。単純に歩けばよいのだと私は理解する。〈創造性を高めるひとつの方法は、さっそうと歩くことである。〉歩けば、〈心肺機能が髙まって全身に酸素がみなぎり、脳が活性化される。〉歩くことは、〈いつでもどこでも無料でできる究極の健康法なのだ。〉〈ギリシャのアリストテレスやドイツのカントといった名だたる哲学者も、気分転換を目的に歩くことを日課にしていた。〉気分転換のために、人によっていろいろな試みをする。私は寝ることによって気分をかえようとするが、もし、アリストテレスやカントが気分転換のために「寝る」なんてことを言っていたら、どうなんだろうか。私は心おきなくマネしてグッスリ眠れるだろうに……と思う。







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