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評者◆中村文則
宝石のような「落穂」を拾い上げる――死刑とは何かを考える上で、最良の書の一つ
死刑のある国ニッポン
森達也・藤井誠二
No.2944 ・ 2009年12月05日




 死刑廃止論者の森達也氏と、死刑存置論者の藤井誠二氏との、死刑を巡る対論の書。
 死刑について語るには最良の組み合わせではないかと、個人的には思う。
 こういった書評でよくあるように、ここで両氏の発言を要約するようなことはしたくない。なぜなら、この本の全てを読んで欲しいから。メインのテーマ以外の細かい文章にまで、きちんと触れてもらいたいから。これは安易な対論集ではない。あとがきまで含め405ページにもわたる、知的で熱のある見事な本である。
 論と論、感情と感情、言葉と言葉、知と知とが衝突しては融け合い、離れては衝突し、すれ違い、交差し、別々の方向へと飛びながらもまた衝突していく。その両者の間、対話と対話の間に生まれる宝石のような渦が、読者の面前に立ち現れてくる。死刑は廃止か存置か。死刑とは何か。それを考える上で、最良の書の一つと断言する。
 この文章を書く僕の立ち位置も書かなければフェアではないと思うので、少しだけ書く。僕は様々な条件つきでの死刑停止論者、ということになる。なぜ死刑を支持できないのか、なぜ廃止ではなくて停止なのかという理由は、この分量で書けるわけがないので書かない。ただ、この結論の下部を支えるのは、長い長い逡巡である。迷いに迷い、戸惑い、考えに考えた結果、泥濘...







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