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評者◆ベイベー関根
バカバカしい日本にバカバカしすぎるマンガを!
懊悩! マモルくん 第一巻
手塚治虫原作、しりあがり寿漫画
No.3420 ・ 2019年10月26日




■いやー、日本めちゃくちゃだよねー。『図書新聞』みたいなマジメなメディアでこんなこといってもアレだけどさ、あーこれ、アレでしょ、民族問題だよね? 冷戦崩壊後に噴出してたやつが、めぐりめぐって喉元まで来たってことだよね? あんまりそういう意見を聞かないんで、いちおう。
 まー、それにしても政府も国民もバカばっかりで、よくぞここまでってなもんだよ。じゃあ今回は、そんな日本にはもったいないくらいバカバカしいマンガをご紹介しよう! しりあがり寿『懊悩! マモルくん』だ! 『煩悩! マモルくん』と間違えて書いてる人を見かけたけど、「おうのう!」なので、よろしく!
 しりあがり寿は、最初パロディばっかりのところから始めて、『真夜中の弥次さん喜多さん』でオリジナル・キャラクターを生み出し、現在への道を切り開いたのに対し、田中圭一はオリジナル・キャラクターが毒を吐きまくる『ドクター秩父山』でデビューして、手塚治虫・本宮ひろ志・永井豪などのパロディに転身して現在に至っているという点で、比較するとちょっと面白いよなーとは思ってるんだけど、メンドくさいから誰かやっといて!
 んで、『懊悩! マモルくん』だけど、今回は久しぶりにホントにくだらない! 最&高! 『マグマ大使』のマモルくん(ピンチのときに笛を吹くと、マグマ大使一家の誰かかれかが助けに来てくれる。『黄金バット』?)が思春期を迎え、マグマ大使の奥さんのモルにムラムラしちゃうという設定で、マグマ大使は嫉妬深い直情バカ、息子のガムはグレてタトゥーを入れたりホストになったりと、もう手のつけらんない感じ。
 キモは、絵柄の方は(話もちょっと)諸星大二郎のパロディになっていることで、この手塚+諸星の因縁の組み合わせが絶妙すぎる! 全ページ是ツボ!
 『マグマ大使』のことを知らない人には、何のことやらという話でしょうが、そういう人は置いてくよ、義務教育やないんやからね!
 で、なんでTVではステキお母さん然としていたモルがセックスシンボル的な扱いになっているのかというと、モルを演じていた應蘭芳さんが、その後「失神女優」として有名になってしまうからなのだった!
 なんでも『女性自身』のインタヴューに応えて、「私、あのときはいつも失神するの」といったとか。そりゃもう当時ならみんなビックリでしょう。さらに「火遊びのブルース/渚の歓喜」を皮切りに、「失神ソング」を立て続けにリリース、何曲かは放送禁止指定までされてしまうのだった!「……痛い!」「とっても幸せよ……」とか、いやもう今聴いても、色っぺーのひとこと。ふーん、このへんの音楽は、「東京ドドンパ娘」「伊勢佐木町ブルース」の鈴木庸一が手がけてるんだなー。
 CKBもリスペクトする應蘭芳さんワークスは、幻の名盤解放同盟に再評価されてCDにもなってるので、中古盤を発掘してくれ!







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