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ノンフィクション
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「トンデモ本」を思想史的に見よ
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書籍・作品名 : 人類の月面着陸はあったんだ論
著者・制作者名 : 山本弘ほか
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近年の日本でにわかに注目された「アポロは月に着陸しなかった」説と、その有力なイデオローグの副島隆彦とを徹底的に批判、嘲笑した書物が『人類の月面着陸はあったんだ論』である。
宇宙開発に関する事実論としては、「と学会」の言説は全く正しいと私は思う。しかし何か物足りない。副島隆彦の言説を思想史的に何ら考察したり、位置づけしていないからである。私の意見では、副島隆彦は、武田邦彦や池田清彦らと並ぶ、現時点の日本における渡部昇一の最も正当な思想的後継者であり、リバータリアニスト的「疑似ウヨク」主義者なのである。
彼らの最も尊ぶ自由は「自分の言動を批判されない自由」であり、彼らにとって歴史的事実とは、自分の体面を取り繕うための物語でしかない。自分の著作物が他人の著作物からの剽窃だと指摘された渡部は、そう指摘した人物を「コミンテルンの手先」の一言で切り捨てた。副島が同じような事を言い出すのも時間の問題だろう。彼らが「自由」を剥奪されるのを滑稽なほどに恐れるのはなぜなのか、彼らが示唆するように、一般の人間は自分の「自由」を剥奪される事に対してそれほど無頓着で愚かな存在なのか、彼らの大衆蔑視はどこから来るのか、彼らの深層心理を探る事こそ、真に「トンデモ」言説を超克する道ではないか。
自然科学的知識だけでは、真の「啓蒙」は不可能なのである。 |
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